研究開発項目5「個体間⽐較可能な報酬の主観的価値表現の齧⻭類神経システムの包括的理解」

研究開発課題5-1
「神経細胞活動の網羅的計測による報酬の主観的価値表現の神経システム解明」

研究課題推進者(PI)

⽥中 康裕

⽟川⼤学 脳科学研究所
教授

げっ⻭類に報酬を条件づけし、複数の⽪質領野及び⽪質下脳領域から多数の神経活動を同時計測・解析することで、脳の全体的なシステムとしての報酬の価値表現を明らかにする。多数個体にシステマティックな報酬の制限を加え、報酬に対する主観的価値を変化させることで、報酬の神経活動表現の個体内変化を確認し、また、主観的価値と相関する神経活動を抽出し、その個体間⽐較の妥当性を検証する。また、これらの神経活動の光遺伝学的な操作によって主観的価値を操作することで、主観的価値の個体間⽐較に因果性を持たせる。得られた報酬の主観的価値表現についての所⾒を研究開発項⽬4に提供し、報酬の主観的価値の神経システム表現の種間⽐較の検討に資する。実験及び解析についての技術⾯でも共通するところの多い研究開発項⽬4と緊密な連携体制を取る。また、報酬に対する欲求、主体感に関しては、研究開発項⽬3とタイアップし、ヒトとげっ⻭類で⽐較可能な仮想空間での課題を確⽴、課題実⾏時の神経活動を詳細に記録することを⽬指す。本研究開発課題の狙いは、本研究開発プロジェクトに通底する脳システムメカニズムを統計的・因果的に裏打ちすることである。