国際シンポジウム「福祉と主体性」―脳科学と社会科学の統合― 盛会のうちに終了いたしました!
2023年9月29日、30日の二日間にわたり、“国際シンポジウム「福祉と主体性」ー脳科学と社会科学の統合ー”を、京都大学は国際科学イノベーション棟にて開催しました。
「2050年までに人びとの“福祉”と“主体性”を個人間比較可能な脳指標を作成する」という目標を掲げた、チャレンジングなプロジェクトを国内外に周知するとともに、その出発点を、人間の“福祉”と“主体性”向上に関心をお持ちの多くの方々と共有することを目的として、開催したこの国際シンポジウムは、すべての講演と議論が英語での開催となりましたが、現地参加55名、オンライン参加70名の参加者を得て、盛会のうちに終了しました。
当プロジェクトの9名すべての課題推進者(Principal Investigators)(後藤玲子(帝京大)、瀧川裕貴(東京大)、稲邑哲也(玉川大)、松森嘉織好(玉川大)、松元まどか(NCNP)、Ralph Adolphs(Caltech)、山田洋(筑波大)、小口峰樹(玉川大)、田中康裕(玉川大))に加えて海外から、関連研究分野で世界をリードする8名の研究者(Marc Fleurbaey(CNRS, Princeton University)、Paul Glimcher(New York University)、Marc Erich Latoschik(Würzbrug University)、Yunzhe Liu(Beijing Normal University)、Adina L. Roskies(Dartmath College, UCSB)、William Stauffer(University of Pittsburgh)、Agnieszka Tymula(University of Sydney)、内田直滋(Harvard University))を、シンポジストとして招聘しました。齧歯類、サル、そしてヒトを対象とした神経科学だけでなく、バーチャルリアリティ技術、そして社会科学まで、これほど広範な分野の第一線の研究者が一堂に会して互いに議論するという非常に希でかつ貴重な機会となりました。
国際シンポジウム「福祉と主体性」ー脳科学と社会科学の統合ーを通じ、神経科学と人文・社会科学とを、VR技術をも活用しながら統合していくことを目指す新たなコミュニティが芽吹きました。この希有なコミュニティを核とし、新たな研究のトレンドを今後、より大きな潮流に発展させていき、人類にとっての科学の意義をさらに高めることが期待されます。